少し離れた駅からちょっと歩いたほうが、
最寄り駅まで乗り継ぐより早そうだ、と思い
日付が変わってすぐの公園沿いの道を歩き始めた。
しばらく歩くと耳がちぎれそうなくらいに冷たくて、
それでもさっきまでの楽しい会話とか、
おいしい食事とか、ちっちゃなサプライズとかを思い出し、
ふだんの散歩では見られない暗い影になった木々や
ほんのり洩れる家々の灯りやたまにすれちがう人に
夜中の散歩は楽しくなってくる。
ふいに、頬に冷たいなにかが降ってきた。
雨かと見上げると、小さな小さな白い粒が舞っている。
私の地元である群馬県南部では、冬の晴れや曇りの日に
北のほうで雪が降っていると、風に乗った雪が舞うことがある。
風花と書いて、かざはなと読む。
ひさしぶりにかざはなだあ、と嬉しくなってしばらく濃いチャコールと
紺の混じった空を見上げていた。
朝聞いたところによると、どうも初雪だったようだけれど、
かざはなだったと思っている。
(nao)