はじめて降り立つ土地で昔ながらの
名銭湯に出会うことができました
その名も「古河浴場」
古河駅前から歩いてすぐです
オリジナルの暖簾(浴場名が手縫いでアップリケになっています)を くぐれば、正面には鶴亀の額絵。入口の「殿方」と「御婦人」も額縁にはいっています。「大人350円」・・・この文字を発見した瞬間、感慨深い想いと感謝、そして純粋に驚いてしまいました。因みにこちらは、番台が肘掛イス型で珍しいかたちをしています。
ケロリン桶に、椅子はM字緑椅子。浴室入口の全面ガラス張り、そして一段低くつくられた浴室部分が、これまでお邪魔した東海地方や北海道、九州の銭湯同様、地方の銭湯に来たのだなという心持ちにさせます。浴室は上品に彩られたタイル天国です。床は淡い緑色の丸タイルで埋めつくされた新緑の世界、そして浴槽は浅い浴槽と深い浴槽なのですが、縁の竹割りタイルや底面の水色タイル等総タイル張りで、浴槽のかたちが瓢箪を半分に割ったようです。この古河浴場ですが、芯からあたたまる実にいいお湯加減で、仕事帰りにくつろがせていただきました。
おかみさんの挨拶から暖簾をくぐった瞬間に「ああ、今夜はうふふふふ」と直感が働いたのですが、清潔で鉢植えなどを含めて空間全体のしつらえが好みでしたので、ついつい野球をテレビ観戦しながら長居してしまいました
化粧室前にありました珍しいタイプのドライヤー(お釜型でもなく、天井からパイプがのびていてその先には薄い黄色のお釜がついています)の何ともいえない「微」風を愉しみつつ。ひっそりとした佇まいのなかに静かに歴史を重ねてきた銭湯の立派な背中がみえました。
(masami)