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2015年 11月 01日
「西公園浴場」 (にしこうえんよくじょう) 〒810-0061 福岡市中央区西公園6-21 092-741-8774 定休日: 火曜日 営業時間: 17:00-23:00 「いらっしゃいませ」の湯加減 早咲きの秋桜がいよいよ満開となり、「寒露」を境に秋らしい色味が増してゆく神無月。黒田官兵衛ゆかりの「幸運を招く」光雲神社で有名な西公園は、日本の桜百選にも選ばれた花見の名所。その由緒正しき社の鳥居そばで今宵目指すのは、屋号もまさに「西公園浴場」。 浴場棟と母屋(旧旅館)の間に掲げられた「旅館熱海」という名残の袖看板や落ちついた色味の外装タイルがあしらわれた鉄筋コンクリート三階建。「ゆ」の暖簾をくぐってサッシのドアを開けると同時に、正面フロントから朗らかな「いらっしゃいませ」というソプラノがまっすぐ心に届く。パステルオレンジの柔らかな色味で統一されたロビーで、美しい姿勢に笑顔のエプロン姿で迎えてくださったのは昭和七年創業、「西公園浴場」の看板女将、末益るみさん(56)。 22歳から先代(両親)の右腕として番台に座り、15年前から経営を引き継いだ、この道34年のベテラン女将である。三味線の師匠として後進の育成に多忙な三代目主人の善弘さん(58)とのおしどり夫婦の二人三脚。「うちは何もないとよ」が口ぐせで、営業以外にも平日は組合事務局とめまぐるしい毎日。それでも、るみさん(愛称)はいつも底抜けに明るい。遠方からの電話にも、はきはきと優しい声で道案内。「ありがとうございます、おふろやです」ではじまる、電話口でのあたたかなやりとり。心のスイッチが灯るとき、「西公園浴場」の時間がゆっくりとはじまる。 「まちのお風呂やさん」は相思相愛 秋模様の長暖簾をくぐり、引き戸を開けると思わず「ただいま」とつぶやいてしまいそうになる。ツヤツヤに磨きあげられた床や使い勝手のいい木製カウンターが取付けられた化粧スペース、そして仕事帰りの銭湯ランナー向けにスーツやコートにも対応した長方形サイズのロッカーには、ハンガーや愛らしいハーブの香り袋。まさに、ゆきとどいた「清潔」と「安心」に守られているというしあわせ。 浴室は、縦にまっすぐ視界がひらけたレイアウト。逆L字型の湯船は、手前からバイブラ(42度)、中心には電気風呂、二穴ジェットの超音波(44度)、更に境壁側に水風呂。シャワーやカランからの湯量、水圧は共に抜群。そして、何といってもまろやかなお湯の秘密は、イオン交換法による弱アルカリ性の軟水「美肌の湯」。超音波ジェットやバイブラでヒートショックプロテイン(HSP)入浴を実践すれば、血のめぐりも活発なツヤ肌のできあがり。やわらかなお湯につつまれて見あげてみると、色鮮やかなピンクの桶や椅子に対して、湯船を彩る細やかなタイルや床、腰壁タイルは淡いパステルピンクのグラデーション。(男湯は若草色)そうした優しい印象にあって、湯船のヘリにあしらわれた漆黒のタイルとのコントラストが実に凛々しい。水色の梁で大きく吹き抜けた凸型の高い天井に心も緩まり、芯からあたたまりながらガラスブロック越しに愛でる富士山や羽衣天女(男湯)、松島(女湯)のパノラマ。 イベント風呂のお手伝いをしていたある日のこと。小さなお子さんとお母さん、若い女性のお客さまが以前に比べてはっきりと増えてきた手ごたえを感じた。お湯がいい、そして「大切にされている」空間にいると、自然と健やかな心や関係が育まれてゆくのだろう。「何もない」(女将談)はずだった浴室には、二年前に立派なペンキ画が誕生、その後すぐに軟水風呂を採用、今秋にはロビーや看板のリニューアルを決行。通いはじめたばかりの小さいお子さんやお母さんにくつろいでほしい、と絵本がずらりとディスプレイされた読み聞かせのソファスペースやギャラリー機能を備えた明るいロビー。新しい袖看板には、「まちのお風呂やさん」という文字や富士山を眺める愛犬たちのシルエット。まちと相思相愛のお風呂やさん、銭湯の理想である。 (文責:masami)
by yunotashinami
| 2015-11-01 00:00
| 全国浴場新聞(連載)
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